排泄は予防の元(はじめ)
今、健康問題を考える(二)
「考える」という行為は、国語辞典には「思いめぐらして頭を働かせること」とあります。また「考究する」とは「物事について深く考えを調べて本質を明らかにすること」とあります。頭を働かせるとか、物事の本質を明らかにするという行為は人間に出来ることの能力で最高の能力です。
── 人間を人間たらしめるもの ──
鹿児島県指宿市の竹元病院院長である竹元隆洋さんは、著書『内観と医学』の中で次のように語っておられます。
「人間の大脳は一番表面の新しい皮質と、その奥にある古い皮質、そしてそのまた奥の最も脳の中心部である間脳よりなっています。」
「古い皮質は、食欲とか性欲という本能的なものを司るところです。」
「間脳は、心臓や胃腸やその他の内臓諸器官を動かしている、生きていく上になくてはならないところです。」
そして「新しい皮質の働きは、過去の記憶を組み合わせて新しいものを創り出していく、すなわち創造する能力、高等な感情を生み出すことです。」
「この新しい皮質の働きというものが、人間をして人間たらしめる大きな原因です。」
ところで古い皮質にある本能的欲求と新しい皮質にある社会的欲求とが重なりあって、すなわち、これが我欲になって私達の心に蠢(うごめ)くことになるというのです。
── 新しい皮質を働かせるために ──
私も、この我欲というものをのぞき見たいと思って奈良の大和郡山市にある内観研修所を訪ねたことがあります。畳半畳の襖の中に、一人で静かに座るのです。一週間のうちはじめは考えようとして仲々考えられません。どうしたもんだろうとあせりはじめたころ、「間脳を休めると、新しい皮質が働きはじめる」という助言を思い出しました。横の襖の人が、あくびをしたり、おならをしたりします。「ああ、そうだ少し食べるのをひかえてみよう」と思いました。それからは、何かからだが軽くなって、考えることにも集中できるようになったのです。(H)
A子さんからのご質問
■ お腹が痛む ■
A子さんは初めてスイマグを飲んだ方です。A子さんのお話によりますと、スイマグを飲んだらお腹が痛んだ、チクチク痛むというより腸がしまるような感じで、何となく痛むということです。それに飲みにくくて困る。酸っぱく感ずるということです。酸っぱいといっても、お酢の酸っぱさではなくて、口の中が(口そのものが)キュッという感じで酸っぱくなる。スイマグを続けて飲んでも大丈夫なのかというご質問でした。
■ 体が教えている ■
そこで、生水(清水)を飲んでも、お腹が痛みますか、とお聞きしたら、痛まないということです。それでは生水に色がつくかつかない位にスイマグを入れて、試してください。それで大丈夫なら、少しずつスイマグを増量してみて下さいとお願いしました。 スイマグを飲んで痛むということは、スイマグを飲んだためにお腹の中が動きだして(蠕動運動)、もともと詰まって、狭くなっている所が動くから、何となく痛く感ずる。ということが考えられます。ですから、お腹の中が動きだしたということで、良い兆候なのだと考えていただいていいのです。便通がなかった人ほど、こんな経験をするかもしれません。また、本来無味無臭のスイマグに、匂いを感じたり、吐き気を感じたりするのは、便通の状態が悪いですよと、教えてくれているんだと考えてください。
■ 生水の補助剤として ■
しかし、いずれにしましても、ほとんどの方は、お腹が痛むとか、変な匂いを感じるとか、吐き気をもよおすというようなことはないと思います。スイマグを生水の補助剤くらいに考えて使ってみてください。スイマグが主ではなくて、生水(清水)が大切です。(H)
第2号1983年7月7日