「土と腸」三保製薬研究所物語(十五)
── マグネシアの効果
●石灰岩の研究のために幾日間か、石灰岩生産地域を歩きまわったことがある。マグネシア含量の多い所と少ない所がある。マグネシア含量の多い岩石を原料にしたものが非常に良いわけだ。そういう研究をして生石灰を拵えてもらったことがあった。そんなに目立たないが、数年のうちに効果が現れる。驚くべき効果だ。今まで原因不明の症状があった。これが解消されてきた。これはマグネシアのおかげだ。不足しているマグネシアを土壌に入れた。これは柑橘の他、茶、野菜もそうだ。国土にマグネシアが足りないのだから、常に補給することを考えた。柑橘、茶、動物などがずっと変わってきた。これが苦土石灰だ。今ではマグネシア含量の少ない生石灰は肥料のうちに入らないという時代になってきた。自分が非常に良かったと思うことはすべてこれを静柑連が干渉することにしたことだ。そうすると効果がだんだんに現れてきた。 またマグネシアというのは、大量になってもちっとも差し支えない。マグネシアをいかに大量に体内に取り入れても害はない。不足より十二分にあった方が良いという考えがある。普通の薬剤とは違う。しかしこれは薬屋の説明だと受け取られるのでいつもはしないが、事実はそうなのだ。
── マグネシアと三保製薬研究所
●オランダでたまたま調べたら、マグネシアのある地帯にはガンが少ないということが判った。これに注目し、このことについてしきりに考えたのが、西勝造先生だった。そして先生にマグネシアの製造を始めないかとすすめられて始まったのが、今日の三保製薬研究所だ。これなどはあえて自分のために、自分の利益のために考えたものでなく、いつのまにかそれが自然になっていた。そこにはスイマグの非常に大きなものがある。だから続けられる。日本だけでなく外国でも、どんどん使われる可能性をもっているということを考えていかなくてはならない。
(To be continued)
語り手 花澤政雄(三保製薬研究所 創業者) 1982年2月18日